メルカリがOrigamiを買収「メルペイ 」はどう変わるのか
乱立するキャッシュレス市場の潮目が変わるようなニュースが飛び込んできました。
スマホ決済サービスの「メルペイ」がOrigami Payで知られる「Origami」を買収することが発表されました。
競争が激化していたキャッシュレス市場の中で、ついに「参入」ではなく「淘汰」の方向に動きを見せたことでも話題を集めました。
Origamiが買収を容認した背景やメルペイの思惑には何があったのでしょうか。
今回はメルペイがOrigamiを子会社化したニュースについて詳しく掘り下げていきます。
この記事に書いてること♪
メルペイがOrigamiを買収!子会社化を発表
2020年1月23日、スマホ決済サービスの「メルペイ」がOrigami Payでお馴染みの「Origami」を子会社化することが発表されました。
Origamiでリリースされていたスマホ決済サービス「Origami Pay」のサービスやブランドについては、メルペイに統合されるという決定がなされています。
さまざまな企業がスマホ決済サービスに参入し、利用者としては混乱を深めていた中でこういった買収に関するニュースは初めてのことであり、キャッシュレス業界に大きなインパクトを与えました。
競争が激しくなる市場の中でついに本格的な「淘汰」のフェーズに入ったことを象徴するかのようなニュースでもあり、利用者にとっても大きな影響を与えそうです。
今後の予定としては2020年6月30日にOrigami Payのサービス全終了が発表されています。
Origamiについて
株式会社Origamiは2012年に設立された会社で、当初はECプラットフォームを運営するサービスを展開していました。
BEAMSやUNDERCOVERといったアパレルブランドを中心に提携関係を務め、スマホを通じたネット通販サービスを中心に成長を遂げます。
2015年に現在の「Origami Pay」の原型となる「Origami決済」をリリース、翌2016年に「Origami Pay」に名称を変更し、正式リリースとなりました。
国内では、スマホを利用したQRコード決済やバーコード決済にいち早く参入した企業でもあり、加盟店の負担費用の少なさやおサイフケータイなどに使われているFelica搭載スマホでなくても利用可能といった強みを活かしてシェアを拡大していきます。
しかし、その後QR/バーコード決済サービスが乱立する中で消費者向けに決済サービスに付随する付加価値の創出に苦しみ、激化する市場競争の中で今回の買収となりました。
メルペイについて
「メルペイ」はフリマアプリ「メルカリ」が運営するスマホ決済サービスです。
国内最大級のフリマアプリにまで成長を遂げたメルカリの中で、2019年にメルペイが開始されました。
メルカリで売却して得た売上金をそのまま支払いに利用できるなど特徴的なサービスを展開、さらにQR/バーコード決済だけではなく、電子マネーiD機能を搭載しました。
QR/バーコード決済と非接触型決済の両方を兼ね備えたスマホ決済サービスとしては国内でも唯一です。
メルカリの会員数の多さを武器にユーザーを獲得し、LINE Pay、d払い、auPayなどと加盟店アライアンスを締結することで加盟店数の増加に取り組んでいました。
メルペイの狙いは何?
今回のメルペイによるOrigami買収に関するメルカリ側の意図には何があったのでしょうか。
市場淘汰という観点から見れば、ユーザーのシェアを獲得できなかったサービスは自然と消えていくものですが、「買収」となればOrigami側が持つ強みに対してメルペイが興味を持ったということが伺えます。
まず、Origamiが買収されること自体はそこまで想像が難しいものではありませんでした。
大手企業が参入し、豪華な還元キャンペーンを積極的に打ち、決済サービス以外の付加価値を組み込む中で、Origami Payは消費者向けのアピールに乏しく、早期から参入していたにもかかわらずシェアが伸び悩んでいたという背景もあります。
キャッシュレス市場の競争が激化する中で、継続的に価値を生み出すことに苦しんでいたOrigamiとしてはここ最近の流れは厳しい状況が続いていたと考えられます。
Origamiが目指していたBtoB型のモデル
多くのキャッシュレス決済サービスが還元キャンペーンや加盟店数の確保など消費者向けの価値創出をアピールし拡大を図るのに対して、Origamiは別の方向を志向していたという背景もあります。
OrigamiはBtoC向けの決済サービスとしてではなく、BtoB型の決済プラットフォームの確立を目指していました。
Origamiというサービスを加盟店や金融機関向けのプラットフォームとして成長させ、Origami Payアプリとしてだけではなく、その他のモバイルアプリに搭載する決済機能としての展開を思い描いていました。
しかし、こういったBtoB向けの強化は消費者向けの強いアピールには結びつかず、消費者向けのOrigami
Payアプリも不調が続く中で今回の買収につながりました。
メルペイはOrigamiの何を得たいのか
メルペイはOrigamiが持つ対企業向けのネットワーク確保に狙いを定めていると報じられています。
Origamiが持つ信用金庫とのネットワークを買収によって獲得し、その後メルペイは信用中央金庫との業務提携を発表しました。
全国的なネットワークを持つ信用中央金庫を活かす中で、メルペイの普及を狙っていくことが考えれます。
スマホ決済市場の激化と本格淘汰の時代に突入
キャッシュレス市場は少し前まで増えるニュースしかありませんでしたが、今回の買収で初めて本格的な淘汰が巻き起こりました。
さまざまな企業が参入を続けてきた中で、競争力を維持できないサービスは今後Origamiと同じような運命になっていくことでしょう。
参入が続き、激しいユーザー獲得競争が巻き起こった2019年に対して、2020年はこういった淘汰や再編が巻き起こる年になるかもしれません。
まとめ
消費者としてはメルペイがOrigamiを買収したことでユーザー向けのどのような利便性を提供してくれるかに注目が集まりますね。
競争が激化する中で利用者に利便性や付加価値が手に入る状況が生まれるのが理想的です。
潮目が変わったキャッシュレス業界には、今後も注目が必要です。
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