リクルート・三菱UFJが提供する会員アプリ内の決済機能について解説
キャッシュレス決済の普及と浸透が目覚ましい中で、またさらに新しい流れが加わろうとしています。
2021年5月24日のニュースにて、リクルートと三菱UFJが共同で、小売店で提供されている会員アプリに決済機能を加えるサービスを開始することが報じられました。
小売店がPayPayやLINEPayといったQR/バーコード決済アプリに対応する流れは多く見られていましたが、会員アプリに専用の決済機能を追加するというのは、まだ少ない事例と言えるでしょう。
今回はそんなリクルートと三菱UFJが始める、小売店の会員アプリ内に追加する決済機能について調査していきます。
この記事に書いてること♪
1.リクルート・三菱UFJが会員アプリに決済機能を追加するサービスを開始
2021年5月24日のニュースにて、リクルートと三菱UFJフィナンシャル・グループが、小売店が独自に提供している会員アプリ内に、決済機能を追加するサービスの提供を始めることが報じられました。
小売店が会員アプリをリリースしている事例は数多く、クーポンの配布や新商品の情報を届けるなど、さまざまな活用がなされてきました。
そんな中、上記2社が新しく始めるサービスによって、これらの会員アプリ内に決済機能が追加されることで各機能との相乗効果を図りながら、積極的な店舗利用に繋げる狙いがあるようです。
また、各小売店が提供している会員アプリそれぞれに共通で決済機能を組み込める基盤を開発するなど、広く小売業界に提供する方針が示されています。
2.会員アプリに決済機能を追加するとどうなる?
小売店が提供する会員アプリに決済機能が加えられると以下のようなメリットが考えられます。
- ①アプリ内のクーポンやポイントを積極的に利用してもらえる
- ②会員アプリの利用率向上
- ③支払いとポイントの利用を1つのアプリにまとめられる
それぞれのポイントについて詳しく見ていきましょう。
①アプリ内のクーポンやポイントを積極的に利用してもらえる
これまで小売店が会員アプリをリリースして、クーポンを配布したり、ポイントが貯められる仕組みを作ったりといった事例は数多く見られてきました。
しかし、クーポンやポイント単体の機能しかないと利用者としても積極的に利用する流れが作りにくかったという課題があったと考えられるでしょう。
例えば、支払いの際にクーポンやポイントカードを提示するためだけに、わざわざアプリを起動するのは面倒ですし、いくらお得になったとしても、手間がかかると行動に移しにくいはずです。
そこで会員アプリ内に決済機能を加え、支払いやクーポン、ポイントカードの提示といった流れを1つのアプリ内で完結させることで、積極的に会員アプリを利用してもらえる導線が出来上がるでしょう。
クーポンやポイントといった機能により目が向けば、店舗を利用してもらう可能性もより高めることができるはずです。
②会員アプリの利用率向上
支払いに会員アプリを使わせるというだけで、アプリの利用率を大幅に向上できる可能性があります。
お買い物のたびにアプリを起動する習慣がなければ、クーポンや新商品の情報をいくら配信しても見てもらうのが難しくなってしまうでしょう。
決済機能を会員アプリに追加すれば、日常的にアプリを起動する習慣がつき、アプリ内のさまざまな情報が顧客に届けられるといった流れを生むことができるはずです。
③支払いとポイントの利用を1つのアプリにまとめられる
これまでのキャッシュレス決済アプリでは、支払いで利用するアプリとクーポンやポイントで利用するアプリが別れていたことに問題がありました。
クーポンやポイントを利用するために別のアプリを提示するのは、レジの業務を考えても非常に非効率ですよね。
そこで会員アプリに決済機能を追加し、支払いとポイントの利用、クーポンの提示といった諸々のやりとりを1つのアプリで完結することで、より便利で効率的なサービスの提供が可能になります。
3.決済機能を会員アプリに組み込んだ事例
リクルートと三菱UFJが新たに始める会員アプリに決済機能を追加するサービスは、まず最初に雑貨店の「無印良品」で2021年度中に提供を開始することが報じられています。
無印良品では既にアプリ内の決済機能として「MUJI passport Pay」を提供しているのですが、ここに新しく機能が加えられるようです。
「MUJI passport Pay」では、クレジットカードのみしか登録できなかったものの、新しく追加される機能においては銀行口座からの直接チャージにも対応する予定となっており、利用者の裾野を広げる狙いがあります。
また、ポイントやチャージ残高を銀行口座に戻す仕組みも加えるなど、決済機能としての利便性も十分に高めていくようです。
4.まとめ
リクルートと三菱UFJがこれからスタートさせる小売店の会員アプリに決済機能を追加するサービスについて紹介していきました。
キャッシュレス決済といえば、PayPayやLINEPayといったさまざまな店舗で使えるQR/バーコード決済のイメージが強いですが、今回の取り組みはその流れとは少し異なるものでもあります。
小売店専用の会員アプリという、ある意味「狭くて・濃い」サービスの中で、決済機能を加えて利便性を高め、利用者を増やす狙いがあるようです。
今後、無印良品を皮切りにさまざまな会員アプリで実装されることが予想されるので、普段利用しているお店のアプリをチェックしてみるのもいいかもしれませんね。
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